安全と安心をお届けするために、当社には様々な試験機・検査機があります。
今回は投影機にスポットを当てて、何ができるか、当社ではどのように使っているかをご紹介します。
投 影 機
【メーカー】ミツトヨ
光が持つ性質を応用した光学測定機で、測定の原理は光学顕微鏡に似ています。測定に用いる被検体をステージ中央部に固定し
下部からの光を当てることで被検体の形状が投影スクリーン上に映し出される仕組みです。
【特長】
・被検体を非接触で測定できるためキズをつけない
・小型や複雑な形状も影を作り出すことによって測定が可能
・顕微鏡のように接眼レンズを覗く必要がなく、一度に多くの人が観察することが可能
・明るい部屋では精度が悪くなる場合がある
次に測定する手順を紹介します。
パターン① ナットのねじ形状を確認する場合
お客様より要望のあったナットを初めて試作する場合や量産品の抜き取り検査など、外観だけでは良品と判断できない場合、
断面をカットし投影機で観察します。
1.ナットを高速カッターなど用いて、二等分または任意の位置で切断する
2.切断面を軽く研磨し、洗浄する
3.投影機の可動ステージ上に被検体を設置し、任意の投影レンズで被検体に合わせる
※冨士精密では×5、×10、×20の投影レンズを所有しています
4.被検体に焦点を合わせ、投影スクリーンに映し出される図を確認する
5.ステージ位置ハンドルなどを活用し、図面通りの寸法に収まるか確認する
パターン② 被検体の穴面取り形状をデジタル測定する場合
【被写界深度が深い(ピントが合っているように見える範囲が広い)場合】
被検体のピント合わせが難しく、デジタル測定機を用いても上手くいかないときは、投影機でピント調整し観察します。
1.投影機の可動ステージ上に被検体を設置し、任意の投影レンズで被検体に合わせる
2.ピントを被検体最上部より、穴面取り側へずらし徐々に焦点を合わせる
3.図面などで穴面取り部分の形状が寸法通りに収まるか確認する
【事前点検】
正確な測定をするために、事前に以下の項目を点検します。
1.ベース部はガタ付き無くスムーズに移動するか
2.昇降台はスムーズに移動するか
3.レンズはしっかりと固定されているか
4.投影面に汚れ、くもり、キズはないか
計測機器に異常があれば、「使用不可」の表示を行い品質保証部長へ連絡をする
ご紹介した測定例は一例です。お客様が使用しているナット、ボルトでトラブルが発生しているのであれば、冨士精密で
対応することも可能です。所有する様々な検査機器で検証を行い、お困りごとを解決します。