

冨士精密がゆるみ止めナットU-NUT・FINE U-NUTを開発・販売したのは、それまでゆるむことが当然とされていたねじを
「どうにかならないか?」と思ったことが始まりでした。
なぜ、ねじはゆるむのか? どのような原因があるのか? ゆるみの種類について解説します。
ねじのゆるみとは・・・
ボルト・ナットを締結すると、ボルトは伸び、被締結物は圧縮変形します。

ボルトに作用する引張力と、被締結部材に作用する圧縮力を総称して「予張力」といい、「予張力」がつりあうことで
ねじの締結体は一体化しています。
また、一般的にはボルトに作用する引張力を「軸力」、締結部材に作用する圧縮力を「締付け力」と呼びます。
外力の作用など何かが原因で、保持されている「予張力」が低下することを『ねじのゆるみ』といいます。
『ねじのゆるみ』は、部品の脱落、不良品の量産、重大な事故などを引き起こす可能性があります。
ゆるみの種類
『ねじのゆるみ』は、大きく2種類に分けられ、さらに細かく分類されます。(下記参照)

「戻り回転しないゆるみ」と「戻り回転によるゆるみ」をいくつか抜粋して紹介します。
◆戻り回転しないゆるみ
目で見て確認できるゆるみではありません。
伸びているボルトの伸び量が減少したり、被締付け物の圧縮量が減少することがあり、これらの要因によりボルトの軸力低下
(=ゆるみ)が発生します。
・初期ゆるみ
被締付け物やボルト・ナットの座面など、締結時に接合する面の表面の凹凸が時間が経って摩耗し、徐々に平坦になり
接近します。この接近が締付け長さの減少となり軸力の低下が発生します。

・陥没ゆるみ
ボルト・ナットを締結した際に、被締付け物の強度が低い場合、締結の際の圧力によって被締付け物が徐々に陥没して
隙間ができ軸力の低下が発生します。

◆戻り回転によるゆるみ
目で見て、ボルト・ナットのズレが確認できます。
振動や荷重などがかかることで、ねじが回転しながらゆるみが発生します。
・軸直角方向繰り返し外力によるゆるみ
軸に対して直角方向に外力が繰り返しかかることで、ナットが戻り方向に回転し、ゆるみが発生します。

・軸方向繰り返し外力によるゆるみ
軸と同方向に外力が繰り返しかかることで、ナットが戻り方向に回転し、ゆるみが発生します。


『ねじのゆるみ』は締結部材の組み合わせや外力など様々な要因によって発生します。
冨士精密では、ナット・ボルトのお困りごとに対して原因の特定や再発防止の検証を行い
お客様から安心と信頼を頂けるように努めていきます。