第一回
不思議なダブルナット
みなさん、こんにちは。
冨士精密の動画編集担当・おまるです。
本日は、ゆるりと編集後記コラムをお届けします。コーヒー片手に読んでいただけるとありがたいです。
さて本題です。
最新の動画で、前編・後編に分けて『ダブルナットvsシングルU-NUT』を特集したわけですが、ご覧いただけましたでしょうか。
ご覧いただいていない方は、ぜひご覧ください。
【前編】 【後編】
今回のテーマを決めるにあたって、まずは展示会で好評だった、「そのナット、シングルにしませんか?」を軸に考えてみようとなりました。それを基に、いろいろ調べたり、各種SNSのコメントなどを拝見したり、過去の反応を振り返りました。
そこで、個人個人によって、 ”ダブルナットの考え方” が異なることがわかりました。
主な異なるポイントとしては、”締付け方” と ”ゆるみ止めの効果”。
U-NUTを作ってるメーカーですが、同じゆるみ止めですし、ちょっとダブルナットに横道逸れてもいいんじゃないかと思い、上記のポイントを押さえつつ動画の企画を行いました。
ただ、あくまで今回の軸は「そのナット、シングルにしませんか?」だったので、前編はこのテーマ通りに対決動画にして、順調に撮影・編集・公開に至りました。
問題は、後編です。
後編の撮影をするにあたって、予備試験を実施しました。
その結果は、
U-NUT:ゆるまない
羽交い絞めダブルナット:ゆるまない
羽交い絞めなしダブルナット:ゆるむ
そう。羽交い絞めのダブルナットはゆるまなかったんです。
ただ、この結果に関しては正直想定内でした。
元々ダブルナットを否定するつもりはなく、 「ゆるまないけど、こういう所に気を付けた方がいいよ~」というお話しをしようと考えていたからです。
その感覚で本番を迎え、撮影前の段取り確認で、「まあ、羽交い絞めもゆるまないと思うんで、試験後の締めのコメントはまた考えましょう!」とゆるく構えていました。
し か し
本番の試験。
羽 交 い 絞 め が ゆ る ん だ
大事なことなので言っておきますが、予備試験と本番試験では、締付けトルクも同じ条件で実施しています。
待って・・・「ダブルナットも適切に締付けたらゆるまないよ!でも明確な締付けトルクないし実は難しいよね」って言いたかったのに・・・ 前編のメルマガで「ダブルナットのメリット・デメリット」と煽っておいて・・・これじゃあまるでダブルナット真っ向否定してるみたい・・・ いやまあ、ゆるみ止めナットメーカーとしてはそれでいいんかな・・・・・・ というような複雑な感情になりました。
そういった複雑な感情を抱きつつ、予備試験を行った課長に聞いてみたところ、「ボルトの余長が5mm長かったかな」「あと考えられるのは・・・潤滑剤かな。塗布量に決まりがあるわけじゃないし、どうしても人の手やからバラつきが出る可能性はある。」と。
えっっっそんな細かい条件でも結果が変わるの????!
そこで後編で齋藤さん(※動画出演者)が言っていた言葉がよぎる。
「締め付ける個人や使う工具によってゆるみ止め効果にバラつきが出る可能性があります。」
ダブルナットのバラつきってそういうことか・・・そりゃ世間様の中でも “ダブルナットの考え方” に違いがあるのも頷ける・・・
Aさんは「ダブルナットが絶対一番ゆるまないはず!」と主張するけど、Bさんは「ダブルナットって確かに意外とゆるむよな~」と主張する。なるほどそういうことか。
ボルトやナットって、些細なことでもゆるみの原因になるのか、締結っていろんな要因で成り立っているのだな、奥が深いんだなと身をもって感じました。
という、こんなことを後編の動画編集中に綴っています。もはや編集後記ではありません。編集中記。
果たしてこの編集後記コラムが続くのかはわかりませんが、あれやこれや思ったことがあったり、余裕があればまた書きます。
長文を最後まで読んで頂きありがとうございました。
次回のコンテンツもお楽しみに。