冨士精密の持つ最新の設備と最先端の技術により製造されたUナットは、高いゆるみ止め効果を安定して発揮します。冨士精密では各種の試験装置、測定装置を自社で保有し、各種試験、検査を行うことで、性能の高さや品質の安定性を裏付けています。様々な安全基準と、最高レベルの品質管理をクリアしたUナットは、安心してご使用いただけます。
冨士精密の保有する試験装置、測定装置にはどのようなものがあり、どのような試験をおこなっているか紹介していきます。
ナットにかかわる試験、検査方法
ナットにかかわる試験や検査は各種あります。例えば、国内の規格では、JISで規定される保証荷重試験(JIS B 1052 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質)や、プリベリングトルク試験(JIS B 1056 プリベリングトルク形鋼製ナット−機械的性質及び性能)や、ねじ締付け特性試験(JIS B 1084 締結用部品−締付け試験方法)などがあります。ねじのゆるみの試験としては、NAS式高速ねじゆるみ試験(軸直角振動衝撃試験 米国航空宇宙局規格 NAS3350準拠)、ユンカー式ねじゆるみ試験(軸直角振動試験 ドイツ工業規格 DIN65151 準拠)などがあります。
ナットの表面の傷や歪み、寸法精度を測定するためには投影機、マイクロスコープ、表面粗さ計などで検査することが可能です。また、表面処理されたナットのめっき厚を計測するための蛍光X線膜厚計や、実際にどの程度のトルクで締めているか計測できるトルクレンチなども用いられることがあります。
マイクロスコープ検査
こういった試験、検査は、試験装置、測定装置が無ければ、工業試験場などに依頼することになります。時間や費用が発生するので、継続して詳細に行うことは容易ではありません。冨士精密では、これらの試験装置、測定装置を自社で保有し、社内で試験、検査をおこなえる態勢を備えています。また、より高度で広範囲な試験、検査を実現するため、装置の刷新も定期的におこなっています。
万能試験機による保証荷重試験
冨士精密では、2021年に新たな試験装置を導入しました。その1つが50tまでの荷重に対応したデジタル式のアムスラー引張万能試験機(島津製作所製 UH-500kNX)です。この装置は、JISで規定される保証荷重試験に用いられます。
デジタル式アムスラー引張万能試験機
保証荷重とは、ナットのねじ山に永久伸びや歪みが生じてはならない荷重です。保証荷重試験では、治具を用いてナットに保証荷重試験力を軸方向にかけて15秒間保持し、ナットのねじ山が,せん断破壊や破断することなく耐えられることを確認します。保証荷重試験力の負荷を停止した後は、力をかける前と同様にナットを外すことができなければなりません。これにより、保証荷重以内であれば、ねじ山が破壊されることがなく、問題なくナットを締付け、取外しできることがわかります。
様々な治具をご用意しております
同様の装置は、従来から保有していましたが、荷重が30tまでであり、測定できるナットのサイズに限りがありました。50tになることで、測定できる対象が大きく広がります。また、従来はアナログ式の試験装置だったので、データをデジタルで処理することや、設定動作を自動的に行うことが困難でした。新しい試験装置では、試験結果をデジタルデータとして編集し、お客様に渡すことができます。
ねじ締付け特性試験機
2021年に新たな導入したもう一つの試験装置が、ねじ締付け特性試験機です。ねじ締付け特性試験機は、締付けトルクや軸力、降伏締付けトルク、総合摩擦係数、ねじ面摩擦係数、座面摩擦係数など、ナットを締付ける際に生じる力や係数、耐えられる力などの特性をJISの規格に基づいて試験できます。
ねじ締付け特性試験機
従来から8mmから24mmのねじ径に対応したねじ締付け特性試験機は保有していました。今回の導入では、3mmから6mmまでの小径に対応したもの(日本計測システム製 NST-100NM)と、50mmから75mmの大径に対応したもの(日本計測システム製 NST-3000NM)の2機種が新たに導入されています。
従来から、より小径、大径のナットについての試験の要望がありましたが、新たに導入されたねじ締付け特性試験機により、幅広い径のナットに対応できるようになりました。
プリベリングトルク試験機
新たに導入された試験装置はもう一つあります。プリベリングトルク試験機(日本計測システム製 NST-20NM)です。Uナットは、ナット本体上面にカシメ加工により固定、一体化されているフリクションリングによりプリベリングトルクを発生させてゆるみ止め効果を発揮します。新たに導入された試験機では、ナットを締付ける際に発生しているプリベリングトルクの値をJISの規格に基づいて試験することが可能です。繰返しの締付けによるプリベリングトルクの減少についても試験できます。これにより、Uナットがどれだけのゆるみ止め効果を持っているかがわかります。
プリベリングトルク試験機
様々な試験、検査に対応します。
検査レポート
冨士精密では、自社で保有している試験装置、測定装置で行った試験、検査の結果をレポートとしてお客様に提出することが可能です。自社の製品に対する試験、検査の結果については要望があれば直ちに対応します。また、Uナットの使用を検討している際に、性能を満たすかどうか、要望に合わせて保有している装置で試験、確認し、データを提供することにも対応しています。お客様が使用しているナット、ボルトでトラブルが発生しているのであれば、冨士精密で対応することも可能です。各種装置を用いて様々な検証を行い、困りごとを解決します。