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2016/11/01

   

めっきとは、金属製品の表面処理方法の一つとして開発されました。銀を水銀で擦り銀に似せたところから滅金(めっきん)と言われたのが語源と言われています。めっきは目的に応じ金属の表面にほかの金属を被覆し、地金属を腐食から守ると同時に装飾し商品の価値を高めたり、光沢を与えることにより摩擦などの抵抗から地金属を守ります。 めっきにより次のような状態になるのが望ましい。

・めっき金属が地金属によく密着して、硬さと粘りがある。

・めっき金属と地金属の間にガスの吸蔵(ガスが潜り込むこと)や、不純物がない。

めっきは2種類以上の金属の接触であるため、各金属の性質の他に両方の金属から生まれる性質を考えて行われます。 ここでは代表的なものをいくつか取り上げています。 *これらの呼称は、必ずしも規定のものではなく、通称や俗称などが一般化しているものがあります。

 

電気めっき

電解溶液中で品物を陰極として通電し、表面にめっき金属を析出させるもので装飾、防錆、機能と様々な目的に応じて比較的安価に適切な金属皮膜を付与できるため、自動車や音響、航空機、通信機、コンピューターから装身具、雑貨に至るまで広い用途に供されています。

ニッケルめっき

ニッケルは、極めて有用な金属です。空気や湿気に対し鉄よりはるかに安定であることから装飾、防食の両面に利用されています。ただし、めっきの表面は空気中でわずかに変色するため、美観の付与と保持に役立つクロムめっきをして仕上げる場合が多い。ニッケルの厚めっきは、肉盛りや電鋳以外にも適度の硬さや耐食性が買われ多くの工業的用途があります。

クロムめっき

クロムは、磨くと高度の光沢が得られ、また硬さが大であり、耐摩耗性、耐食性、耐熱性、密着性が良く、広く工業用に使用されています。めっきの最上層に施される薄いクロムめっきは、装飾用の光沢めっきであり、特有の深みを有する色調が、あらゆる部品の最終仕上げとして利用されています。

亜鉛めっき

主に鉄素地の錆止めに広く用いられます。めっき後のクロメート処理により亜鉛表面の耐食性が増し、外観の美しさが備わります。

ステンコート (ジンロイ+Kコート)

亜鉛ニッケル合金めっきのジンロイの上に光沢クロメート処理をして、その上に無色透明の防錆コーティング剤Kコート(またはコスマー)を施します。 見た目も耐食性もステンレスのようになるので「ステンコート」と呼ばれており、 黒色の「ブラックコート処理」もあります。ステンレスの焼付防止用コート処理と混同されやすいので注意が必要です。

合金めっき

めっきは、一般的に単一金属を地金属に電着させるが、これは2種の金属を同時に電着させて合金状態のめっきを施す方法です。単一金属のめっきでは得られない利点が多くあり、合金めっきの粒子の多くは微細で色調や光沢が良く、硬さもあり、合金の組成を変えることによって色調を変えることができます。一般的に有色金属めっきとも呼ばれています。

黄銅めっき - 銅と亜鉛の合金皮膜で、合金比率によって金色は赤味から白味に変化します。

ブロンズめっき - 銅と錫の合金皮膜で、耐食性が良好で平滑性に富み、錫が基本となると冴えた銀白色でハンダ付け性も良好です。

代用クロム - 錫とコバルトの合金皮膜で、クロム色、つきまわりに優れているため、バレルめっきでの量産が可能です。

 

無電解めっき

溶液中での還元反応を利用し、品物の表面にめっき金属を析出させるもので、ごく一部の素材を除き、金属から非金属に至るまで広くめっきが可能です。膜厚精度もきわめて高いため、主に機能を重視した工業的用途に供されています。

無電解ニッケルめっき

複雑な形状に対しても膜厚のムラなく均一にめっきできます。加えて多くの機械的特性、電気的特性、物理的特性が評価されて様々な分野で利用されています。ニッケルとリン(5~13%)の合金めっきです。

 

化成処理

金属をある種の溶液中に浸漬し、表面に金属塩皮膜を生じせしめることを化成処理といいます。化成処理によって着色皮膜を得ることを化成着色(または化学着色)といい、電解により着色(または発色)と区別しています。

クロメート処理

代表的な化成処理法で、亜鉛めっきにおいては4種類の処理が行われています。それぞれ有色(虹色)、光沢(白色)、緑色、黒色の色を得ています。その他に銀めっき後のクロメート(変色防止用)、アルミニウム上のクロメート(別称アロジン)等があります。また電解によるクロメート処理もあり、近年ニッケルめっき上の電解クロメートが薄金色皮膜を有するため、装飾用に注目されています。しかし、6価クロムを主成分とするクロメート処理は、優れた耐食性により広く使用されてきたが、6価クロムは人体への影響や環境汚染の問題が表面化されてきたため、国内外での法的規制により使用禁止の動きが活発となっています。 この対応として (1) クロムフリー(クロム化合物を一切含まない) (2) 6価クロムフリー (単に6価クロムを含まないというもので暗黙的に3価クロムを使用) に区別されています。国内の現状においては、その対応の遅れから6価クロムフリーでの対応が主となり各めっき専業者において浸透しつつあります。

リン酸塩皮膜 (リューブライト)

鉄などの金属材料をリン酸塩という水溶液に浸漬し、不溶性のリン酸塩皮膜を生成させます。通常、塗装の前処理として行われます。これは表面がリン酸塩皮膜でナシ地になるため塗装の密着が良くなる為です。

黒染め (四三酸化鉄皮膜)

濃厚カセイソーダに反応促進剤及び染料を加えた水溶液を140°前後に加熱(四三酸化鉄皮膜)沸騰させ、前処理(脱脂、脱錆)を終えた鉄鋼製品を浸漬、煮込むことによって四三酸化鉄皮膜を生じさせます。洗浄後、防錆油を塗布するが防錆力はめっきより落ちます。

溶融亜鉛めっき (ドブメッキ)

鉄鋼部品の防食用として用いられます。溶融亜鉛のめっき槽に材料を浸漬させる方法で、表面に亜鉛皮膜を付着させます。電気めっきと比較すると、表面粗さ、 外観は劣りますがめっきの皮膜が厚く耐食性、耐久性に優れています。 アングル(L型鋼)・チャンネル(H型鋼)などの鉄鋼製品に広く使われていますが、 ねじ類に関しては皮膜の厚さゆえ、ナットはオーバータップにするなど独自の工夫がなされています。 「ドブ」とは、溶融亜鉛のめっき槽をドブに例え、そこに浸漬する事からこう呼ばれています。 その他、めっき層を天ぷら鍋に見立てて「てんぷらめっき」と表現される場合もあります。

 

溶融亜鉛めっきの種類、品質は付着量及び硫酸銅試験回数により表の通りとなります。

 

亜鉛フレーク皮膜

ダクロタイズド

主成分の亜鉛と、介在の役目を果たすクロム酸を含んだダクロタイズド処理液に浸漬塗装した後、加熱し素地に焼付けます。電気亜鉛めっきと比較すると耐食性、耐熱性、防錆性が優れています。また工程中酸洗い処理を行わないので、水素脆性の恐れはありません。素地は鋼、非鉄金属、軽金属及びそれらの合金類など、広範囲のものが処理可能です。

ジオメット

完全クロムフリーの表面処理技術で金属フレークを層状に重ね、特殊無機バインダーにより結合したダクロタイズドのクロムフリー代替え品として優れた防錆効果を持つ表面処理です。膜厚としては8ミクロン程度の薄い皮膜なのでボルトなどの勘合にも有効です。耐熱性、耐食性に優れていることから自動車部品の表面処理として多く用いられています。

 

水素脆性の処理について

一般に水素脆性は低炭素鋼ではほとんど問題ないが、炭素の高い鋼に起こります。特に亜鉛めっきによる水素脆性は相当に激しく、スプリング材、ボルトナット等にめっきして問題を生ずることが多い。防止方法としては、できるかぎり脆性を起こす工程を使用しないことが一番ですが、特にめっき処理後の対策としては、加熱法が使われています。ただし、めっきの種類などによって特に加熱温度に注意しないと硬度の低下、密着性の低下を起こすことがあります。加熱法(ベーキング処理)加熱時間は前処理の方法、製品の大きさ、加工程度、材質等により異なるが、一般には180℃~200℃で3時間~4時間程度加熱させる方法で行われています。このほかに沸騰水中に浸漬処理等をする場合もあります。

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